暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

放生会


「福島マデ 汗シラカベナッテ 知リテ参リョーッタタイ」

「小遣銭ノ 十銭ダン貰テ ソッデ安カウチキッドン 買ウテナイ」

「ソリバ銜エナガラ シンブニ 見ョーッタガ・・・」

「アノ操り人形ノ パラーット 着物バ替エラストテロン 穴ンポカラ

フスンノ出テ 狐ン出テクットテロンナ タマガッテ 見ョーッタガナヤ」。


今では国の重要無形民俗文化財に指定されて、

テレビでも放映されています。

よどの賑わいから華やかな舞台・舞台裏のからくりの操作まで、

アップで映してみせるのです。


「アゲンシテ 横縦カラ ムゴー操ラスタィナヤ。慣リュデツァ 大分年季ノ イロナヤ」

「何デン 昔ンタ ノーナルバカッジャンケ シャボ トットカニャン」

「ソーソー。ワガ部落ンコッデンバイ」。


古老の語りは、懐旧の心情はむろん、古いものへの執着が強いものです。

全国津々浦々、文化の白々しい均質・均等化がすすむ昨今、老人の愛惜がうなずかれます。

 

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